魅力的な動画には「明かり」が不可欠!? 意外と知られていない裏側に迫る|第3回
私たちにとって非常に身近で手軽な映像コンテンツとして楽しまれている、YouTube。今やスマホ一台で誰でも映像鑑賞や動画投稿が可能な時代。いつでも手軽に映像作品に触れることが可能になったが、実際に自分で撮ってみると想像の中にあるような動画を生み出すことは難しく、普段は何気なく観ている映像も、その撮り方一つの違いでクオリティが変わってくることに気付くだろう。
今回のゲストは、「日本一映像を楽しむビデオグラファー(映像作家)」として面白い撮影の仕方や使える機材の紹介、購入レビューなどを幅広く発信しているDAIGENさん。自身が観ていて心地いいと思う映像や、こんな風に撮れるようになりたいと感じるものに密接に関わるのは、難しい編集技術よりも先に「明かり」だった。
前回は、DAIGENさんに撮影時に気をつけるべき明かりのポイントに関して話を聞いた。今回、DAIGENさんが実際に使用している機材や、それを使ってどのような映像が撮れるのかを聞いていく。
ーー前回は、室外で実際に撮影された動画を見させていただきましたが、室内でよく使う、明かりに関係する機材などはありますか?
DAIGEN:僕が使用しているものでオススメのライトは、NANLITEのPavo Tubeというものです。軽量で、様々な光を作り出すことが出来るチューブライトなのですが、こういったライトって一本3~4万円くらいして結構高いんです。その中で、これは4本で55,000円くらいと結構お手軽な方で、ものとしても非常に良いので、室内での撮影で、明かりを活用した演出をする時には、僕はいつも使っているアイテムなんです。
また、明かりの扱いも結構変えることができまして、この動画<https://www.youtube.com/watch?v=6y_hAHMYjE0>のサムネイル画像では、動画内で紹介するカメラレンズがシルエットになるように、あえて商品には明かりを当てず、Pavo Tubeの明かりをメインに撮影しました。
そして、こちらの動画<https://www.youtube.com/watch?v=RhfR0ssp_nc>のサムネイルでは、紹介するカメラ自体に明かりを当てています。撮影環境はほとんど同じなのに、見え方は全然違いますよね。こういった使い分けができるのも、明かりやそれを用いた機材を動画内で扱う楽しさだと思います。
ーーなるほど! 確かにこれは見え方の違いが分かりやすくて面白いですね。動画だとどのように見えるものなのでしょうか?
DAIGEN:この動画<https://www.youtube.com/watch?v=uHmOeXa1LpM>は、ワックスのCMを廃墟で撮影したものなのですが、この中でもPavo Tubeを使いました。Pavo Tubeは全体の雰囲気を出す明かりとして扱い、人物や商品には、それぞれに別で焦点を当てるライトを使っています。そうすることで、紹介したいものや人自体ははっきりと分かりやすく目に入ってきつつも、映像全体としては洒落感のあるイメージを創出することができたのではないかな、と思います。こういったことを意識しながら動画を見てみると、それぞれ作った人の思惑を感じながら動画を見ることができて面白いかもしれませんね!
ーー楽しそうです! 手持ちのもので、まず明かりの演出を楽しむ方法などはありますか?
DAIGEN:お手軽なところだと、スマホのライト機能でも十分に明かりを楽しむことはできると思いますよ。日中の撮影でも使うことができます。スマホのライト部分に、コンビニのビニール袋などを当てて撮影してみてください。そうすると、明かりが拡散するのでただ撮影したいものに光が当たるのではなく、全体に自然な明かりを作ることが出来ると思います。ぜひ、チャレンジしてみてください。
DAIGENさん自身が使用するライトの効果から、明かりを用いた動画演出の楽しみ方が伝わってきた。次回は、他のお手軽な撮影手法やDAIGENさん自身の明かりの関わり方について聞いていく。次回の更新もお楽しみに。
DAIGEN氏プロフィール
1985年北海道生まれ。2009年より製薬会社にて勤務するも、家族に自分が人生を楽しんでいる姿を見てほしいとの思いから2018年に退社し、動画制作会社を設立。MVや企業PVの制作、YouTubeのプロデュースを行う。現在はYouTube以外にもオンラインサロンや映像制作のスキル教材の販売なども行っている。https://www.youtube.com/@DAIGEN_